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会席料理の味見と試食の違い 試食会のすすめ
2016年05月10日
先日、旅館の夕食で会席料理をいただきました。順に美味しくいただいたのですが、終盤にご飯とお吸物と香の物が並びました。料理が自慢の旅館でしたので出汁の味を楽しみにしていたのですが、お吸物、、味が無い、、薄味が好きなのですがそれでも味を感じない。期待していたので残念だったのですが、よくあることなので書いてみたいと思います。
正確に言うと味がすごく薄味に感じたのでした。これは弊社の仕事の際にもよくあることなのですが、いろいろと食べ進んできた味覚は味見の際に良かった吸物の味が薄く感じてしまうのです。弊社はレシピの制作も行っているのですが、その後料理の試作と試食があります。試作と試食は別の日に行っています。試作は料理を作ってみて、商品に加えるかどうかを判断します。味つけ、食材の切り方、口に入れる際の大きさもこの段階で変更を依頼します。
濃い味、薄い味の感じ方
試食は提供される商品を1人分食べてみる作業になります。この際に気付くことのなかで重要なのが「味の濃さ」です。料理を先付け、八寸と食べ始めていきますが、いろいろな種類を食べていると次第に濃い味に慣れます。いつも人の味覚はだまされやすいなぁと思うのですが、味覚が濃い味に慣れてしまうと味見の際にはちょうど良かったものが「物足りない味」に感じてしまうのです。冒頭で紹介した事例もこれに当てはまります。※実際にお水を飲んでからもう一度お吸物をいただいたらお出汁の味が感じられました。
満足感のある分量も重要
分量は食材の総重量を測って判断しますが、感覚的には1人分食べてみての判断も重要です。人によってもそれぞれなので、今回はどんな印象かを話し合います。OKが過半数なら採用しても良いという判断をしたいところですが、注文をいただいたお客様も半数しか良いと思っていただけないのでは困りますので厳しく変更を重ねます。
意見を出し合い、商品化する
新しい商品をつくる際に大切なのは試作と試食です。とくに試食は老若男女といろいろなタイプの人間が意見を出し合った方が良いでしょう。1人の意見が正解ということはありません。外部に依頼するのが難しければ、従業員で行う場合は、はっきりと自分の意見を言ってくれる人を参加させるのが良いでしょう。年齢や男女で食べる量や味付けの好みがかなり異なるので、落としどころが難しいですが、それがお客様の反応だと思ってください。
自社の商品の試食会をぜひ行ってみてください。